概要

数年前に作成した13階で行われる大富豪のルールをここに記載する。

はじめに

我々がこれを発行する目的は、現在のカードゲームのあり方を見直すためである。 遊戯王などのいわゆる TCG はカードの収集からが楽しみになっている。 その分、収集にはコストがかかり、新規カードを集めるのを躊躇うものも多い。 実際問題として、巷ではコピーカードで満足してしまうプレイヤーもいる。 筆者もその一人である。 一方で、トランプはたったひと束54枚のカード様々なゲームを行うことができる。 そこには何十年経っても錆びない魅力があるように思えるのだ。

ここで紹介するトランプゲームは大富豪である。

気をつけたのはルールの厳密性だ。 大富豪だけでなく、トランプゲームUNOなどにはいわゆるローカルルールが氾濫している。 例をあげればきりがないが、大富豪で役カードは何かと聞くと、ある友人は八切りジョーカーぐらいでしょと答える。 また違う友人に聞くと、五飛び、七渡し、八切り、ナインリバース、十捨て、イレブンバック、クイーンボンバーと答える。 革命についての認識にも齟齬がある。 通常 (通常なんてものはローカルルールの前ではないも同然だが) 同じカード4枚で革命が起こるが、ある人は階段革命なるものを主張する。

これは後々解説する。

何が言いたいかといえば、地域によってルールが変わるのはいささか不便であり、それを正したいということだ。 また大富豪はパワーゲームになりがちである。これは、ジョーカーや2など強いカードを持っているものが圧倒してしまうというつまらないものである。 TCG にもよくありがちだ。これについても是正していく。

基本的なルール

ここでは、基本的な規則を書く。 つまり大富豪におけるあらゆる現象はここに書かれていることに基づいて判断されることになる。

ポイント制

我々の大富豪のルールにおいて勝敗はポイントによって決定される。

一番初めに持ち札がなくなったプレイヤーが現れた時点でゲームは終了され、計算に移る。

役カードのうちジョーカー以外を20点、ジョーカーを50点、それ以外のカードは書かれている数字と同じ点数として換算する。

勝利プレイヤーは自分の持ち札がなくなった時点で場の一番上にあるカードに書かれている数字の合計、そのマイナス10倍の点数を与えられる。

役上がりの禁止

役として定義されているカードを含むカードの組を場に出した時、自分の手札が0枚になっていてはいけない。

カードの出し方

最初にカードを出すもの以外は、すでに場に出ているカードの組と同じ枚数、かつ強いカードの組しか出せない。

カードの強弱

カードの強弱は次のように決められている。マークでは強さが変わらない。

3 < 4 < 5 < 6 < 7 < 8 < 9 < 10 < 11 < 12 < 13 < 1 < 2

パスの権利

プレイヤーは場にカードを出すことができないときパスを宣言することができる。 その際、場に出ているカードの組の枚数分、山札からカードをとる。 そのあと、引いたカードを合わせて再度、場に出せるカードの組がないか確認する。ない場合手番は次に移る。

役の効果

3

  • スペードの3:場のジョーカーの上に重ねて出すことが出来る。その場合、即座に場は流れ、手番はスペードの3を出したプレイヤーに移 る。

  • 砂嵐:任意のマークで構成された3の3枚組のことで、あらゆる場合に対して出すことが出来、即座に場は流れる。手番は砂嵐を出したプレイヤーに移る。

以下によくある疑問とその回答を記載する。

  • Q1:スペードの3はジョーカーを含むカードの組、例えば2とジョーカーで構成されている2枚出しに対しても出せるのですか?

  • A1:いいえ、出すことは出来ません。

  • Q2:スペードの3はジョーカーに対して使うとき以外も役として扱うのですか?

  • A2:はい。よってスペードの3で上がることは出来ません。また手札にある場合、役として点数を計算します。

  • Q3:スペードの3がジョーカーの上に出されました。その後、さらに砂嵐を場に出すことは出来ますか? またその場合、手番は誰に移りますか?

  • A3:ご質問の状況では、砂嵐を出すことができ、手番は砂嵐を出したプレイヤーに移ります。

  • Q4:手札に砂嵐を持っている場合、3枚の3(砂嵐ではなくただの複数枚組)として場へカードを出すことは出来ますか?

  • A4:いいえ。砂嵐としてしか出すことが出来ません。

  • Q5:砂嵐が手札にあるときにゲームが終わりました。この場合、砂嵐は役として計算するのですか?

  • A5:いいえ。

  • Q6:砂嵐は役の効果を無効に出来るのですか? 例えば、革命などは無効になりますか?

  • A6:はい、無効に出来ます。砂嵐が無効にするのは砂嵐が場に出された後に発動する効果すべてです。つまり、流されてから発動する革命は無効に出来ます。しかし、場に出た時点で発動する効果は無効に出来ません。つまり、Qで3を宣言された場合、手札に砂嵐があったとしても出すことは出来ません。

5

  • 5飛び:次のプレイヤーの手番を飛ばす。

以下によくある疑問とその回答を記載する。

  • Q1:5の複数枚出しをした場合、どのようにプレイヤーを飛ばしますか?

  • A1:1枚ずつ処理を行います。まず1枚の5の効果で1人を飛ばし、手番のまわったプレイヤーから見て次の人を飛ばし、さらに・・・、というのを枚数分行います。4人プレイの場合、5の二枚出しで自分に手番が移るため、疑似的な8切になります。

7

  • 7渡し:次のプレイヤーに自分の持ち札を1枚渡せる(渡さなくても良い)。

8

  • 8切り:場に出されたとき、場を流す。手番は出したプレイヤーに移る。

9

  • 9リバース:場に出されたとき、カードをプレイする順番(流れ)を反転させる。

  • 救急車:9の2枚出し。出されたとき、場を流す。ちなみに、救急車という命名はダジャレ。

10

  • 10捨て:場に出されたとき、自分の手札からカードを1枚捨てることができる。

11

  • イレブンバック:場に出されたとき、カードの強弱を逆にすることができる。

12

  • クイーンボンバー:場に出されたとき、カード名をひとつ宣言する。宣言されたカードを持つプレイヤーはそのカードを表にしてお互いに確認し、捨てる。

J(ジョーカー)

  • ジョーカー:あらゆるカードよりも強いカードとして場に出すことができる。また、後述する複数枚出しの時、任意のカードとして使うことができる。

備考

ここに書かれている裁定や効果はすべてT'氏の発案、または考えをもとにしている。細かい裁定については彼に問い合わせてほしい。 特に、砂嵐は役の効果を無効にできるのかどうか、場に出すタイミングはいつなのか、など細かく見るときりがない。

H氏も高度なトランプゲーム的判断に詳しい。

複数枚出し

階段

これは、連続した数字を持つマークが同一のカードを3枚以上1組として出すことである。 その際、階段を構成している役の効果は発動する。 また、次のプレイヤーが階段を重ねるとき、階段を構成しているカードのうち最も弱いカードの1つ上のカードから始まる階段を出す。

(これはあらかじめ想定していたわけではないが、K氏が考案した2枚階段についても階段と認定されることになった。きわめて難易度が高く、出すことは難しいが通常の階段通りのルールに基づいて処理せよ。理論上、4枚階段までが可能である。)

同一の数字で構成された2枚以上のカードの組

同一の数字2枚以上同時に場へ出すことができる。役の効果も枚数分発生する。

革命

4枚以上のカードで構成された組が場に出され流れたとき、次に出すカードから強弱を反転させプレイする。

前述したように、K氏が考案した2枚階段において、段数が3段であっても階段を構成しているのは6枚のカードであるため革命の発生条件を満たせてしまう。しかし、2枚以上の段で構成される階段のみ、段数が4段以上の時に革命の発生条件を満たすという裁定が下りている。

2枚階段の考案に伴う、革命条件の見直し。

  • Q1:革命を起こしたプレイヤーに対して、他のプレイヤーがもう一度革命を起こして場が流れました。この場合、カードの強弱は変わりますか?

  • A1:革命が起きた回数が偶数回の場合、カードの強弱は変化しません。革命が起きた回数が奇数回の場合、カードの強弱は変化します。したがって、質問の状況ではカードの強弱は変化しません。

ゲームの流れ

カードの配布

配るカードの枚数はプレイする人数によって異なる。これは山札の数を一定にするためである。

4人プレイの場合、配るカードの枚数は1人7枚である。これを参考にされたし。

基本的に、この大富豪は何人でも出来るようにしてある。 もちろん100人ではできないし、54人で行うのならばほとんどが役上がりの禁止で上がることが出来なくなる。 つまり、適正な人数があり、それが4人ということだ。 後述する得点計算は4人を基準にしているので、人数の変動に合わせて変更してもらうと良いだろう。

カードを出す順番

ゲームが初めて始まるときのみ、特殊な処理を行う。

各プレイヤーは1枚ずつ、山札からカードを取る。順番は問わない。取ったカードをめくり、数の最も大きいものがそのゲームの親となる。親から時計回りにカードを出していく。

おそらくここで問題になるのはハートの13とスペードの13はどちらが優先されるのかということだ。はっきり言って、マークに強さなどない。したがって、同数のカードが出てしまった場合、同数のカードを引いたプレイヤーのみ引き直し、もう一度カードの大小を比べることとする。

2回目以降は、前回のゲームにおける大貧民からカードを時計回りに出すことにする。

大貧民が一番最初に出すことが出来るというのは古き良き大富豪のルールにのっとっている。これは、弱者が強者に対抗するために与えられた権利であり、大富豪を象徴するルールである。

親の決定

親とは基本的には無害なルールである。

親はゲーム中における大富豪を指す。つまり絶対的な権力者であり、逆らうことの出来ない存在である。 親は、最初のゲームのみ、一番最初にカードを出したプレイヤーになる。2回目以降は、前回のゲームで最も得点の良かったもの(つまり、ほとんどの場合上がったプレイヤー)になる。

カードの出し方

カードを出す際は、すでに場に出ているカードと同じ枚数、かつ、強いカードを出さなくてはいけない。

同じプレイヤーが3回連続で初めのカードを出すことは出来ない。

パス

パスを宣言する場合、場の一番上に出ているカードの組の枚数と同じだけのカードを山札の上から引く

引いたカードの中で出せるカードがあった場合、または既に持っているカードと組み合わせて出せる場合、出すことが出来る

もちろん、自分の手札に出せるカードがあった場合もパスを宣言し、カードを引くことが出来る。

役の効果処理

役のカードを使用した場合、次のプレイヤーがカードを出す前に効果を発動する。 複数枚の役のカードを出した場合、カードの強弱のうち、弱いカードの効果から順に発動する。

8切りを含むカードを場に出し、効果を使う前に流された場合も、役の効果は発動する。

J(ジョーカー)は基本的にはどんなカードにもなることが出来るという性質を持つ。よって、階段の中で使用した場合や縛りの最中に使用した場合、代わりに使用した数字の効果を得る。

役上がりの禁止

役で上がることは出来ない。

もし、自分の手札が約札1枚のみで、ほかに何もカードを出すことが出来ないにもかかわらず、最初に出さなければならなくなった場合、山札からカードを1枚引き次のプレイヤーに手番を移す。

ゲームの終了

プレイヤーのうち1人の手札が無くなった場合、ゲームを終了し、得点計算に移る。

得点計算

基本的な得点

基本的には、役札は20点、そしてそのほかの札はカードの数字を点数として計算する。 誰か1人が上がった時点で得点計算に移り、残っている手札の得点を算出する。

追加ルールとして上がったプレイヤーへのボーナスを設けることもある。 上がり札の数字を10倍したものが自分の合計得点より引かれるというものだ。

これは、H氏の提案である。

UNO方式

UNO方式の得点計算方法を記載する。

これは、得点計算を終えたのち、上がったプレイヤーの得点を0にするのではなく、ほかのプレイヤーが取った得点の合計にマイナスをつけたものが勝利者の得点になるというものだ。

_ じっくり考えればわかると思うが、全プレイヤーの合計得点は毎回0になる。 (そうならない場合、計算ミスをしている。 どうやらこの小学生で習う程度の引き算をよくよく間違えてしまう。 この方式で計算する場合、引き算の教科書を片手に行うと良いだろう。 決して自分の計算能力を過信してはいけない。 ) _