概要

人の意思決定の拠り所となるもの
また目的となるもののこと。

動機づけ要因と衛生要因

やる気や動機に関する研究で、動機のもとになるものとして、動機づけ要因衛生要因という2つがあると言われている。

動機づけ要因

やりがい、自己成長など。
自分にとって大切なことが動機づけ要因となる。 これは、誰かではなく自分が考え決めていく。

衛生要因

報酬、ステータスなど。
ないと困るが、たくさんあったとしても自分の動機・やる気に繋がらないものを指す。

例えば報酬は生活ができないくらい低いと誰でも問題だと思うが、報酬が高すぎてもその分やる気が出るとは限らない

報酬は遊びを仕事へ変えてしまう

トム・ソーヤーの冒険という物語の一節からつけられたソーヤー効果というものがある。

ソーヤー効果 モチベーション3.0 P65 作:ダニエル・ピンク 訳:大前研一

ソーヤー効果は2つに分けられる。

  • 遊びを仕事へ変える
  • 仕事を遊びへ変える

もともと内発的な動機だったこと(つまり自分がやりたいからしていたこと)に報酬が発生するようになると、途端にやる気が失せてしまう。
このような現象が、遊びを仕事へ変えるソーヤー効果だ。

仕事へ変わることの悪影響はやる気の減退にほかならない。 やる気がなくなれば、活動は消極的になり、創造性は失われ、廃れていく。 この現象は社会で起きた実際の行動に見ることができる。

例えばかつてMicrosoftが作ろうとしていた百科事典と現存しているWikipediaの話だ。
Wikipediaへ記事を投稿したり、誤字脱字を修正したりすることに対して、報酬は一切発生しない。 しかし、Wikipediaは多くの人の寄付(記事を投稿することや金銭)によって今も運営され続けている。 例え報酬がなくても、人々はやる気を維持し、活動を続ける

逆にMicrosoftが考えていた百科事典は、報酬を支払って記事を書いてもらっていた。 今ではもう提供されていないが。

参考

イノベーション・オブ・ライフ(P33 クレイトン・M・クリステンセン 翔泳社)

モチベーション3.0 (P65 作:ダニエル・ピンク 訳:大前研一 講談社)

ポジティブな『ソーヤー効果』は退屈な仕事を楽しい遊びに変える。