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# 美人投票とは
ある経済学者の著書で使用されたたとえ話のこと。
投資家が行う投資パターンは「100枚の写真の中から最も美人だと思う人に投票してもらい、最も投票が多かった人に投票した人達に商品を与える新聞投票」に見立てることが出来るという。
このとき、玄人つまり投資に慣れた人達は「自分が美人だと思う人」に投票するのではなく「世間一般的に美人だと思われている人」に投票すると著者は述べている。
以上のことを株式市場で考えてみると「投票数」は「株価」、「投票者」は「株を購入する投資家」になる。
このとき、必ずしも「投票数」つまり「株価」が、「美人さ」つまり「その企業の本当の価値」とイコールになるわけではない。「株価」が高いということはそれだけ「投資家が株を購入している」ということになるが、投資家は「その企業の本当の価値」を見て投資先を判断するのではなく「他の投資家の動き、世間の関心、経済状況全体の期待感、失望感」などを合わせて判断する。
# ゲームとの結びつき
実際に美人投票を利用したゲームが存在する。漫画のなかではあるが、下記のようなゲームである。
1. プレイヤーは1~100までの数字を1つ選ぶ
1. 各プレイヤーが選んだ数字の平均値を算出し、その数に0.8を掛けた数字に最も近い数字を選んだプレイヤーが得点を得る
1. 以上のことを繰り返す
※これは「今際の国のアリス」という週刊少年サンデーで連載されていた漫画の中で行われるゲームである。
上記のゲームのプレイヤーの思考は下記のようになる。
1. 1~100までの数字を選んで平均値を出す、という点から50くらいだろうと予測する。
1. 平均値に0.8を掛ける必要があるため50が平均だとすれば40になる。
1. 40を選択しようとする。
1. 他のプレイヤーが同じことを考え、40を選択していたとすると平均値は40に近くなるため、さらに40に0.8を掛け32になるのではと考える。
1. ・・・・・・
というように延々と思考する回数が増え続け、最後には0へと収束する。
# ゲームへの応用
何らかの強さを競うカードゲーム(例えばポーカー)などで、最も強い役を持っていそうな人に投票し、もっとも得票数が多いプレイヤーに投票したプレイヤーが点を得る等。
ポイントは「強さ(美人さ)」がどれだけあろうとも勝敗に起因するのは「数(投票数)」だという点。そして「最も投票数が多かったもの(多くの人に美人だと思われた人)に投票したプレイヤーが点数を得るという点」をうまくゲームに組み込むところであろう。