ある経済学者の著書で使用されたたとえ話のこと。
投資家が行う投資パターンは「100枚の写真の中から最も美人だと思う人に投票してもらい、最も投票が多かった人に投票した人達に商品を与える新聞投票」に見立てることが出来るという。
このとき、玄人つまり投資に慣れた人達は「自分が美人だと思う人」に投票するのではなく「世間一般的に美人だと思われている人」に投票すると著者は述べている。
以上のことを株式市場で考えてみると「投票数」は「株価」、「投票者」は「株を購入する投資家」になる。
このとき、必ずしも「投票数」つまり「株価」が、「美人さ」つまり「その企業の本当の価値」とイコールになるわけではない。「株価」が高いということはそれだけ「投資家が株を購入している」ということになるが、投資家は「その企業の本当の価値」を見て投資先を判断するのではなく「他の投資家の動き、世間の関心、経済状況全体の期待感、失望感」などを合わせて判断する。
実際に美人投票を利用したゲームが存在する。漫画のなかではあるが、下記のようなゲームである。
※これは「今際の国のアリス」という週刊少年サンデーで連載されていた漫画の中で行われるゲームである。
上記のゲームのプレイヤーの思考は下記のようになる。
というように延々と思考する回数が増え続け、最後には0へと収束する。
何らかの強さを競うカードゲーム(例えばポーカー)などで、最も強い役を持っていそうな人に投票し、もっとも得票数が多いプレイヤーに投票したプレイヤーが点を得る等。
ポイントは「強さ(美人さ)」がどれだけあろうとも勝敗に起因するのは「数(投票数)」だという点。そして「最も投票数が多かったもの(多くの人に美人だと思われた人)に投票したプレイヤーが点数を得るという点」をうまくゲームに組み込むところであろう。